顔の多汗症では、気温の高さや運動の有無にかかわらず、顔から過剰に汗が噴き出ます。
遺伝、糖尿病などの疾患、更年期障害など、人によって原因はさまざまです。
今回は、顔の多汗症の原因や対処法、放置するリスクなどについてまとめました。
多汗症の治療実績が豊富なクリニック・医師の目線から、本音で分かりやすく解説します。
記事を最後までチェックすれば、顔の多汗症の悩みを解決する方法が明確になります。
そもそも顔の多汗症とは?まず知っておくべき基礎知識
顔の多汗症(顔面多汗症)とは、気温の高さや運動の有無にかかわらず、顔から過剰に汗が噴き出す状態です。
人間の体には、体温を調節するために汗を出す「エクリン汗腺」が存在します。

多汗症は、この汗腺をコントロールする自律神経が過敏に働く疾患です。結果として、必要以上に大量の汗を分泌してしまいます。
顔面多汗症の具体的な症状は以下の通りです。
- 額から玉の汗が流れ落ちる
- 鼻の頭や口周りにじんわりと汗をかき続ける
- メイクがすぐに崩れてしまう
こうした症状は周囲の目も気になりやすく、精神的なストレスをさらに増幅させます。それがまた発汗を促すという悪循環に陥りやすい疾患です。
放置して自然に治るものではなく、適切な治療が必要です。
顔だけに汗をかくのは味覚性多汗症だから?
顔だけに汗をかく場合、「味覚性多汗症」であるケースも存在します。
味覚性多汗症とは:
辛いものや熱い食べ物を口にした際に大量の汗をかく現象。人間の神経系が食べ物の刺激に過剰に反応して起こるとされている。
特に、食事中や食後に限って顔の汗が止まらなくなるのが特徴です。
しかし、食事と無関係なタイミングで顔から汗が噴き出す場合は異なります。特定の部位のみ過剰な発汗が見られる、「局所多汗症」の可能性が高いでしょう。
自分がどのタイプの多汗症であるかを見極めるのが、適切な治療を選ぶ上で重要です。特定の食べ物が引き金になっているのか、日々の発汗パターンを振り返ってみてください。
私って顔面多汗症?簡単にできるチェックリスト
「自分はただの汗っかきなのか、顔面多汗症として治療が必要なレベルなのか」と迷う方は少なくありません。
以下のチェックリストのうち、2つ以上当てはまる場合は、顔面多汗症の可能性が高いと考えられます。
- 涼しい室内や冬場など、暑くない環境でも顔から汗が垂れてくる
- 運動をしていないのに、顔中が汗で濡れて化粧が崩れてしまう
- 家族や親族の中に、同じように多汗症の症状を持つ人がいる
- 人前に出たり、仕事で緊張したりすると、顔から滝のように汗が出る
- 顔の汗が気になり、仕事のパフォーマンスや日常生活の行動に支障が出ている
顔のみならず頭の多汗症を併発しているケースも多い
顔の多汗症に悩む方の多くは、頭部から大量の汗をかく「頭部多汗症」を併発する傾向があります。
頭と顔の両方から汗が噴き出す状態は、視覚的にも目立ちます。
対面での営業や商談中には、相手に心配をかけてしまうかもしれません。「体調が悪いのではないか」「極度に緊張しているのではないか」と思われるためです。
本人が感じるストレスも計り知れず、周囲の目が気になり、人と会うのが億劫になる方も少なくないでしょう。
額や頬の汗を何度拭っても、頭皮から次々と汗が伝って流れ落ちてくる状態になります。
関連記事:頭の多汗症は自宅でも治療できる!対処法や放置するリスクなどを解説
顔面多汗症になる5つの原因
顔面多汗症になる主な原因として、以下の5つが挙げられます。
- 自律神経の乱れ
- ホルモンバランスの変動(更年期障害など)
- 体質や遺伝
- 疾患や副作用
- 食習慣の乱れ
それぞれ詳しく解説します。
自律神経の乱れ
顔面多汗症の最も代表的な原因の一つが、自律神経の乱れです。
人間の体には体温調節のために汗を出す機能が備わっています。この発汗をコントロールしているのが自律神経です。
緊張やストレスを感じると、自律神経の交感神経が優位になります。その結果、汗腺に「汗を出せ」という指令が送られます。

現代社会はストレスに溢れており、交感神経が常に過敏に働いている方が少なくありません。仕事でのプレッシャーや人間関係の悩みなどが主な要因です。
その緊張感が引き金となって、顔から滝のような汗が噴き出すことがあります。
自律神経の乱れによる多汗症は精神的な要因が強く絡んでいます。「汗をかいてはいけない」と焦れば焦るほど、さらに汗が止まらなくなるのが特徴です。
ホルモンバランスの変動(更年期障害など)
女性に多く見られる顔面多汗症の原因として、ホルモンバランスの変動が挙げられます。
特に30代後半から50代にかけて、女性ホルモンの分泌量が減少します。そのため、体内のホルモンバランスが大きく崩れやすくなるのです。
このホルモンの変動は、自律神経のコントロールに混乱を招きます。
結果として体温調節機能が正常に働かなくなってしまいます。これが更年期障害の代表的な症状です。
涼しい部屋にいても急に顔だけがカーッと熱くなり、汗が止まらなくなったりします。
この場合は、多汗症そのものの治療に加えて体質改善が効果的です。
体質や遺伝
顔面多汗症の中には、特定の病気や明確な原因が見当たらないケースがあります。生まれつきの体質や遺伝的な要因によって引き起こされる場合です。
家族や親族の中に、同じように多汗症の症状を持つ人がいるか確認してみてください。該当する場合、その体質が遺伝している可能性が高いと考えられています。
昔からずっと顔の汗に悩まされており、体質だからと諦めてしまう方も少なくありません。
しかし、現代の医療では処方薬などを用いて症状を改善できます。過敏になった神経の働きをブロックできるためです。
遺伝だから一生治らないと思い込まず、適切な医療機関で自分に合った治療法を見つけるのが大切です。
疾患や副作用
顔面多汗症の原因が、体に潜む別の疾患や服用している薬の副作用であるケースも存在します。
顔の過剰な発汗を促す、代表的な疾患や副作用は以下の通りです。
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
- 末梢神経障害
- 糖尿病
- 耳下腺の手術や外傷の後
また、一部の治療薬を長期間服用している場合も注意が必要です。副作用として多汗症の症状が現れることも報告されています。
最近急に顔の汗がひどくなった、汗以外にも極度の疲労感があるといった場合は要注意です。単なる多汗症ではなく、背景に重大な病気が隠れているサインかもしれません。
食習慣の乱れ
日常の食習慣の乱れが、顔面多汗症を悪化させる要因となっていることも珍しくありません。
交感神経を刺激するような飲食物を過剰に摂取していると、発汗が促進されやすくなります。代表的なものは以下の通りです。
- 辛い食べ物
- カフェインを多く含む飲料
- アルコール類
これらの嗜好品は中枢神経を興奮させ、汗腺の働きを活発にする作用があります。心当たりがある方は、日常的な摂取量をコントロールするのが望ましいでしょう。
偏った食生活による栄養不足も自律神経の乱れを招きます。結果として多汗症を助長する可能性があります。
食生活の改善だけで多汗症が完治するわけではありません。しかし、医療機関での治療と並行して日々の生活習慣を見直すのは有効なアプローチです。
関連記事:多汗症の治し方は大きく4つ!失敗しない選択肢や自力で治すべきではない理由を解説
顔面多汗症の対処法・止める方法
顔の汗を止めるための主な対処法や治療法は、以下の5つに分類されます。
| 治療法 | 期待できる効果 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 市販薬 | 一時的な制汗・防臭 | ドラッグストアで安価に手に入る | 根本的な多汗症の改善は困難 |
| 処方薬【おすすめ】 | 高い発汗抑制効果 | 自宅で手軽に治療でき、身体負担が少ない | 毎日の継続的な使用が必要 |
| 漢方薬 | 体質の根本改善 | 全身の不調にもアプローチできる | 即効性が低い |
| ボトックス注射 | 一定期間の発汗抑制 | 4〜9ヶ月間は効果が持続する | 注射時の強い痛み、定期的な通院が必要 |
| 手術 | 半永久的な発汗停止 | 根本的な解決が期待できる | 代償性発汗のリスクがある |
1つずつ詳しく見てみましょう。
市販薬を使う
最も身近で手軽な対策は、ドラッグストアなどで販売されている市販の制汗剤を使う方法です。数百円から数千円程度と安価で、思い立ったその日にすぐ試せるのが魅力です。
運動後や一時的な気温の上昇による汗なら、市販品でも快適さを保てます。しかし、疾患レベルの顔面多汗症を市販薬のみで抑えるのは困難と言わざるを得ません。
市販の制汗剤の多くは、一時的に毛穴を引き締める目的で作られています。脳からの過剰な発汗指令をブロックする強力な有効成分は未配合です。
そのため、緊張した場面で噴き出すような大量の顔汗は防げません。根本的な解決を望むなら、医療機関での専門的な治療を選択するのが確実です。
処方薬を使う
当クリニックが最もおすすめするのは、医療機関で処方される処方薬での治療です。以下のような内服薬や外用薬には、多汗症治療を目的とした有効成分が配合されています。


これらの薬は、市販薬とは根本的に異なります。汗腺へ送られる過剰な発汗指令をブロックし、高い抑制効果が期待できるのです。
治療自体は、決まった時間の服薬や患部への塗布を自宅で続けるだけで済みます。忙しい方でも、身体的な痛みを伴わず手軽に続けられるのが最大の利点です。
漢方薬を使う
東洋医学の観点からアプローチする漢方薬も、顔面多汗症の治療で選ばれる方法の一つです。
処方薬が汗腺の働きを直接ブロックするのに対し、漢方薬は体全体のバランスを整えます。汗をかきにくい体質へと根本から改善していくのが主な目的です。
使用される主な漢方薬は以下のとおりです。
- 防已黄耆湯
- 補中益気湯
- 加味逍遙散
漢方薬のメリットは、多汗症の改善だけにとどまりません。冷え性や不眠、慢性的な疲労感といった全身の不調も同時に整えられます。
また、身体への負担が比較的穏やかであるため、長期間の服用にも適しています。
一方でデメリットとして、即効性は期待できません。体質改善を実感するまでに数週間から数ヶ月単位での継続が必要となります。
ボトックス注射を打つ
処方薬以外の医療的な選択肢として、ボトックス注射による治療があります。
交感神経からの「汗を出せ」という指令をブロックする薬剤を使う手法です。この薬剤を患部に直接注射します。
1回の施術で、およそ4〜9ヶ月にわたって汗の分泌を抑えられます。
しかし、ボトックス注射には「強い痛みを伴う」というデメリットが避けられません。顔面は非常にデリケートな部位です。

範囲を網羅するため、数十箇所の注射を打つ痛みに耐える必要があります。また、効果は半永久的ではなく、切れるたびに痛みと費用がかかってしまいます。
1回あたりの費用は数万〜15万円が目安です。
手術を受ける
顔面多汗症の治療において、最終手段として交感神経を遮断する「ETS手術」を検討する方もいます。発汗指令を出す神経を切断、またはクリップで留める外科的治療です。
成功すれば半永久的に汗を止められます。毎日の服薬や定期的な通院から解放される点は大きなメリットでしょう。
しかし、手術には「代償性発汗」という重篤なリスクが伴います。元の患部の汗が止まる代わりに、別の部位から大量の汗が出る後遺症です。
胸や背中、太ももなどが代償性発汗の起きやすい部位として挙げられます。手術後に苦しみ、「別の部位の汗のほうが辛い」と後悔するケースも存在します。
また、顔面へのETS手術は、手や脇などの部位と比べて成功率が低いのもたしかです。
身体への負担も大きく、費用も数十万円から100万円程度と高額です。まずは処方薬など、リスクの少ない方法から試してみてください。
「顔汗を止めるには市販薬が最強」は半分正解で半分間違い
「顔汗を止めるには市販薬が最強」という情報は、半分正解で半分間違いです。
まずは、記事前半で紹介したチェックリストに当てはまらないようなレベルの方を想定してみましょう。
真夏に激しい運動をした後だけ顔に汗をかくといった状態であれば、市販の制汗剤は手軽で優れたアイテムとなります。
しかし、涼しい室内でも汗が止まらないような多汗症の疑いがある方にとってはまったくの間違いです。
市販薬の成分では自律神経の過剰な働きを抑え込むことはできず、気休めにしかなりません。
顔面多汗症としっかりと向き合うのであれば、市販薬に頼るフェーズは卒業しましょう。手術が怖い、痛い、お金がかかると不安な方は、処方薬を用いた治療がおすすめです。
顔面多汗症を公言している芸能人
表舞台で活躍する芸能人や著名人の中にも、顔面多汗症に悩む方は多数いらっしゃいます。
例えば、お笑い芸人として活躍するパンサーの尾形貴弘さんは、顔面多汗症であることが知られています。
他にも、俳優の広瀬アリスさんが舞台挨拶の最中、顔から滝のように汗を流して一次降壇したことが話題になりました。その後、多汗症であることを公言しています。
顔面多汗症を放置するとどうなる?
顔の多汗症は、風邪のように放っておけば良くなるものではありません。適切な治療を行わずに放置した場合、以下のような影響が生じる可能性があります。
- 髪型や化粧が崩れて困る
- 日常生活に影響が出る
1つずつ詳しく見てみましょう。
髪型や化粧が崩れて困る
顔の多汗症を放置する大きなデメリットは、髪型や化粧の崩れです。
顔へ汗が垂れてくると、丁寧なメイクも台無しになります。特に仕事中は自分のタイミングで自由にメイク直しができません。
大事な会議中や接客中に汗が垂れてきても、その場を離れられないのが辛いところです。男性であっても、額から流れる汗で髪型が崩れ、汗でびっしょりと濡れてしまいます。
ビジネスパーソンにとって身だしなみは、信頼を左右する重要要素です。営業職などで初対面のクライアントと会う場面においては特に影響が大きくなります。
「清潔感がない」「だらしない」といったマイナスの印象を与えかねません。「今、顔がひどい状態なのでは」という不安から緊張が高まるケースもあります。
それが原因で、さらに汗をかく悪循環に陥ってしまうリスクに注意が必要です。
日常生活に影響が出る
顔の多汗症を治療せずにいると、無意識に自分の行動や選択肢が制限されてしまいます。人の多い場所や空調がない場所への外出を避けるようになるためです。
友人との食事を断ってしまったりと、対人関係に消極的になりがちです。仕事でも、人前で話すリーダーの役割を恥ずかしさを理由に避けてしまうかもしれません。
根本原因にアプローチしない限り、半永久的に症状が継続してしまいます。悩みを抱えたまま生活することとなるでしょう。
毎日汗を気にして、人目を避ける生活は精神的に消耗するものです。多くの方が何年も悩み抜いた末に受診し、「もっと早く相談しておけば…」と後悔を口にします。
疾患のせいでキャリアアップや人生の楽しみを諦めるのはもったいないことです。
顔面多汗症が治った後の生活とは?
顔の多汗症から解放された後の生活は、見違えるほど前向きで自由になります。「汗をかいたらどうしよう」というストレスがなくなり、心に余裕が生まれるでしょう。
仕事においては、髪型や化粧などの身だしなみが崩れる心配がなくなります。いつでも自信を持って堂々と振る舞えるようになるはずです。
結果として、仕事のパフォーマンスや周囲からの評価向上にもつながります。空調の有無を気にせず友人と食事に行くなど、人生の選択肢が大きく広がります。
治療は、本来の自分らしい充実した生活を取り戻すための価値ある投資です。
これまで我慢してきた趣味やチャレンジしたかった仕事に、心置きなく全力で取り組めるでしょう。
顔の多汗症治療はビー・ファインクリニックにおまかせください
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費用は月3,200円からです。まとめて6ヶ月分の処方で、1ヶ月分が無料になります。
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予約は24時間365日、いつでも可能です。
無理に治療を勧めることはありませんので、少しでも多汗症にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
顔の多汗症の原因や対処法、放置するリスクなどについて解説しました。
脇の多汗症治療には、処方薬がおすすめです。
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無理に治療を勧めることはありませんので、少しでも多汗症にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


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