痩せる薬とは、糖や脂肪の吸収を抑える効果や食欲の抑制効果などによって体重を減少させる効果がある薬のことです。
肥満は生活習慣病の主な原因とされており、加齢とともに割合が上昇します。
食事制限や運動をしてもなかなか体重が落ちない、忙しくて運動をする時間がないという人は少なくありません。
オンライン診療とは、仕事や育児などで忙しい人でもインターネット環境があればどこでも医師の診察や治療を受けられる診療のことをいいます。
今回は、オンライン診療で受けられるメディカルダイエットや痩せる薬の種類についてまとめました。
- オンライン診療の受け方
- メディカルダイエットの治療方法
- 痩せる薬の種類
- 痩せる薬のメリットとデメリット
オンライン診療は気軽に受けられる診療形態であり人気が高まっている
オンライン診療はインターネットを利用して、医師の診察や治療を受けられる診療形態です。
パソコンやスマートフォンのビデオ通話などで医師の診療を受けられるため、自宅や会社などにいながら医療機関の受診ができます。
近年ではオンライン診療を行う医療機関が増加傾向にあり、ホームページから予約が取れたり、月額制の料金形態をとっていたりなど利便性の高さが人気です。
医療機関によっては、通院とオンライン診療の併用が可能である場合や医療機関に一度も行かずにオンラインのみの診療ができる場合もあります。
処方された薬は郵送で自宅に届けてもらえるため、調剤薬局に行く負担もありません。
オンライン診療には、保険適用となる保険診療と保険適用外となる自由診療があります。
ダイエットを目的とした医療サービスであるメディカルダイエットは、ほとんどが自由診療です。
以下では、オンライン診療に向いている人や診療の受け方について解説します。
オンライン診療は時間がない人でも隙間時間を利用して診察が受けられる
オンライン診療は、インターネットを介したビデオ通話などによって医師と患者が対面して診察を受けられる診療形態です。
パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの情報通信機器を使用するため、インターネット環境が整っている場所ならどこにいても診療が受けられます。
医療機関に直接行かなくても良いため、移動時間や待ち時間の短縮にもなります。
オンライン診療に向いている人の特徴は、以下の通りです。
- 仕事や育児などで時間の余裕がない人
- 子供が小さくて自分の診察は後回しになってしまう人
- 医療機関までの距離が遠く、なかなか通えない人
- 仕事の休憩時間などを利用して診察を受けたい人
- 待ち時間の短縮などによって時間を有効的に活用したい人
- 待合室などで二次感染のリスクを抑えたい人
- 気軽に医師の診察を受けたい人
オンライン診療の診察の流れは大きく5つのステップがある
オンライン診療を受けるまでの流れは医療機関によって若干異なりますが、大まかな流れは以下の通りです。
- ホームページなどでオンライン診療を行っている医療機関を探す
- 電話やアプリなどから事前の診察予約を行う
- 予約日にオンライン診療を受ける
- 処方薬がある場合は、薬の郵送や薬局などで薬を受け取る
- クレジットカードや振込による支払い
予約方法はオンライン診療を行っている医療機関によってさまざまですが、ホームページからネット予約が可能な場合やアプリの取得が必要な場合もあります。
オンライン診療の予約の際には、本人確認のために免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を必要とします。
支払い方法はクレジットカードや電子マネー、振込払いなどさまざまであるため、事前に確認しておきましょう。
メディカルダイエットは医師の指導のもとで受けられる専門的な治療方法
メディカルダイエットは、ダイエットについて医師の指導や管理のもとで診療や処方を受けられる治療方法です。
食事制限や運動などのダイエットでは効果が得られない場合も多く、挫折してしまう人も少なくありません。
メディカルダイエットは医療ダイエットとも呼ばれ、医師の管理のもとで体重の減少を目的とした治療を行います。
その中心となるのが、薬や医療機器を用いたダイエット方法です。
以下では、肥満の原因やメディカルダイエットの治療方法について解説します。
肥満は動脈硬化を招き、生活習慣病の原因にもなる
肥満とは脂肪組織に過剰な脂肪が蓄積し、体格指数(BMI)が25kg/m2以上の状態をいいます。
脂肪細胞は皮下脂肪と内臓脂肪に分類され、皮下脂肪はお腹まわりや二の腕やお尻などに蓄積されます。
内臓脂肪は胃や腸、肝臓などの内臓に蓄積される脂肪です。
体格指数(BMI)=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
肥満によって血管の壁が硬くなり柔軟性が失われると、動脈硬化のリスクが高まります。
動脈硬化は、脳卒中や心筋梗塞などの心疾患を発症する原因です。
肥満を放置しているとさまざまな疾患を発症するリスクを高め、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を招いてしまいます。
病気になる前に肥満を解消し、健康管理を行うのが重要です。
メディカルダイエットの主な治療方法は4種類ある
医師の指導と管理のもとで肥満の治療ができるメディカルダイエットには、さまざまな治療法があります。
体重の減少を目的とする場合は内服薬や注射などの薬剤による治療があり、部分的な脂肪の減少を目的とする場合は医療機器による治療を行います。
通院可能か自宅での治療希望かなど、それぞれのライフスタイルに合わせた治療法の相談も可能です。
メディカルダイエットには、以下の治療方法があります。
内服薬による治療 | 糖や脂肪の吸収を抑えたり、食欲を抑えたりする薬を用いて行う治療方法。用法、用量を守り服用を継続すると、体重や体脂肪の減少効果が得られる。内服薬にはGLP-1受容体作動薬やSGLT阻害薬、脂肪吸収抑制剤などの種類があり、患者に合わせた処方を行う。サプリメントや漢方の処方を行う医療機関もある。 |
注射による治療 | 脂肪に直接的に作用する注射や、ホルモンに作用して食欲を抑制する注射による治療方法。脂肪溶解注射は脂肪細胞を溶かして体外に排出させる作用があり、脂肪の減少によって体重の減少効果がある。腹部や二の腕、太ももなどの部分痩せにも対応できる。GLP-1の自己注射による治療法は食欲を抑えるホルモンの分泌を促し、食事の摂取量を減らす効果がある。 |
点滴による治療 | 点滴によって基礎代謝を上げ、痩せる体づくりを行う治療法。脂肪がエネルギーとして利用されるのを促し、新陳代謝を高める成分をもつ点滴を行う。健康的な体づくりを目指す人や脂肪がつきにくい体を目指す人に人気の治療法。運動と併せて行うとより効果が得られる。 |
医療機器による治療 | 脂肪細胞を冷却したり加熱したりして脂肪細胞を破壊し、老廃物として体外に排出する効果がある医療機器や高周波の電流によって筋肉を刺激して引き締め効果を得られる機器がある。部分的な施術が可能であり、気になっている部位の部分痩せやセルライトにも効果がある。 |
メディカルダイエットは脂肪のつき方やライフスタイルによって、治療法の選択が可能です。
医師と相談のうえ、自分に合った治療法を行いましょう。
痩せる薬にはさまざまな種類があり自分に合った選択が可能
痩せる薬にはホルモンの分泌に作用して糖や脂肪の吸収を抑制するものや、食欲を抑えるものがあります。
その多くが糖尿病の治療薬として認可されている薬剤であり、肥満の治療に対しては健康保険の適用外である自由診療です。
それぞれの体重や肥満の度合い、生活習慣などによっても薬の効果には違いがあるため、医師とよく相談して薬剤を使用しましょう。
メディカルダイエットでは、薬を服用した際の副作用についてもよく理解して治療を始めるのも重要です。
以下では、代表的な痩せる薬の種類について解説します。
GLP-1受容体作動薬は血糖値を下げる作用によって痩せる体をつくる
GLP-1受容体作動薬は、糖尿病の治療薬として使用されている薬剤です。
GLP-1とは小腸から分泌されるホルモンであり、血糖値を下げるインスリンの分泌を促す作用があります。
食事から摂取した糖質はインスリンの働きによって、体を動かすエネルギーとして利用されたり、肝臓に貯蔵されたりして活用されます。
インスリンは膵臓から分泌され、血糖値を下げる働きをもつホルモンです。
GLP-1受容体作動薬はGLP-1を体外から摂取し、血糖値を下げる作用をもちます。
薬によって血糖値を下げるため、食事制限や激しい運動を行わずに体重の減少効果が得られます。
GLP-1受容体作動薬でリスクの高い副作用は、低血糖の症状です。
手足の震えやふらつき、冷や汗が出るなどの症状が現れた場合は糖分を含むジュースなどを摂取し、早急に医療機関を受診しましょう。
リベルサス
SGLT2阻害薬は余分な糖質を体外に排出する作用で血糖値を下げて痩せる体をつくる
SGLT2阻害薬も、糖尿病の治療薬として血糖値を下げる効果のある薬剤です。
SGLT2とは腎臓の尿細管に存在するタンパク質で、尿の中に入った糖を血液の中に再吸収させる働きをもちます。
通常人の体は、このSGLT2の働きによって尿中に糖が入り込まないようになっています。
SGLT2阻害薬はSGLT2の働きを抑え、糖が血液中に戻らないようにして尿に排出させる効果がある薬剤です。
糖の再吸収を抑えるため血糖値が下がり、痩せる体をつくります。
SGLT2阻害薬を服用中は尿量の増加によって、喉の渇きや体のだるさなどの脱水症状が起こる場合があります。
服用中は、こまめな水分補給を行いましょう。
ジャディアンス、フォシーガ、カナグル、スーグラなど
脂肪吸収抑制剤は脂肪の吸収を抑える効果があり肥満の予防ができる
脂肪吸収抑制剤は食事で摂取した脂肪の吸収を抑制し、脂肪が蓄積するのを抑える効果があります。
肝臓で作り出されるリパーゼは、脂肪を吸収する作用をもつ消化酵素です。
脂肪吸収抑制剤はリパーゼの働きを弱め、腸管から吸収される脂肪の量を減らし便と一緒に排出させる作用があります。
脂肪吸収抑制剤には、食事で摂取した脂質のおよそ30%を排出させる効果が期待できます。
脂っこい食事が好きな人には、無理な食事制限を行わずに肥満の予防が期待できる薬です。
脂肪吸収抑制剤を服用すると脂肪が腸で吸収されずに便の中に排出されるため、便がゆるくなる場合があります。
オルリファスト
食欲抑制剤は食欲を抑える効果で食事の量を減らしてダイエット効果が得られる
食欲抑制剤は、脳内の中枢神経に作用し食欲を抑える効果のある薬剤です。
食事の量を減らすため摂取カロリーを抑えられ、ダイエットの効果があります。
内服中は食事に対する執着がなくなり、食べ物を我慢するストレスからも解放されます。
リバウンドを繰り返している人や、食事制限のダイエットが続かない人にも効果的です。
食欲抑制剤の副作用には喉の渇きや吐き気、不眠などの症状があります。
副作用が起こった場合には、早急に医療機関を受診し医師に相談しましょう。
サノレックス
痩せる薬には飲むだけで痩せる体質がつくれるというメリットがある
痩せる薬で行うダイエットには、厳しい食事制限や激しい運動をせずに痩せる体質がつくれるというメリットがあります。
ダイエットをしていても効果が現れない人や忙しくてダイエットをする時間がない人には、利便性の高いダイエット方法として人気が高まっています。
医療機関で行うメディカルダイエットは、医師に処方された薬剤を服用して安全に進められるダイエット方法です。
痩せる薬にはさまざまな種類があり、それぞれ効果が異なります。
メディカルダイエットでは医師の指導と管理のもとで体質や肥満の度合い、ライフスタイルなどそれぞれの人に合った薬剤の処方が可能です。
オンライン診療で、手軽に予約から診療までを進められる医療機関も多くあります。
以下では、痩せる薬のメリットについて解説します。
薬を飲むだけで痩せられるため継続が可能
メディカルダイエットで処方される薬は飲むだけで痩せる体質になり、食事制限や運動をしなくても良いため、継続が可能というメリットがあります。
診察の頻度は医療機関によって異なり、週1回から月1回などさまざまです。
メディカルダイエットは、オンライン診療で受けられる医療機関が増えています。
仕事が忙しい人や育児中の人でもオンライン診療を利用して処方をしてもらえるため、医療機関に行く手間も省けます。
定期的な診察によって医師に相談しながらダイエットを進められるのも、継続に繋がるポイントです。
過度な食事制限や激しい運動を必要としないためストレスを感じない
一般的なダイエット方法は、糖質制限や食事の摂取量を減らすなどの食事制限やウォーキングや筋力トレーニングなどの運動が代表的です。
しかしそれらの方法は、精神的なストレスを感じやすく挫折してしまう人も少なくありません。
メディカルダイエットで処方される薬には、糖質や脂肪の吸収を抑える効果や食欲を抑える効果があり、通常と同じ量の食事が摂れます。
医師の指導のもとで決められた量の薬を飲むだけで良いため、継続しやすくストレスを感じにくいメリットがあります。
ストレスによる過食でリバウンドのリスクもなく、何度もダイエットに失敗をしている人には効果的です。
3〜6ヶ月程度でダイエット効果を実感するためモチベーションを維持できる
痩せる薬は服用してから体重が減少するまでの期間が3〜6ヶ月程度と短く、早期に効果を実感できるのが特徴です。
食事制限や運動によるダイエットは効果を感じられるまでに時間がかかり、モチベーションの維持が難しくなっていきます。
メディカルダイエットでは普段の食事や運動量のままで効果が現れるため、ダイエットに対する意欲が維持できます。
痩せる薬はデメリットについての理解が重要
痩せる薬はメリットだけではなく、デメリットについてもよく理解して治療を行うのが重要です。
薬を飲むだけで痩せる体がつくれるメディカルダイエットは、近年人気が高まっています。
しかし服用に際しては、医師とよく相談をしたうえで自身の体質にあった薬剤を選択し、用法や用量を守って正しく治療を行う必要があります。
痩せる薬の多くは糖尿病の治療薬として利用されているものが多く、肥満の治療としては認可がおりていません。
そのため、多くが健康保険の適用外となる自由診療となり、保険診療と比べると費用が高額になります。
副作用についても、よく理解して服用しましょう。
以下では、痩せる薬を使うデメリットについて解説します。
痩せる薬は健康状態や体質によっては副作用が起こる場合もある
メディカルダイエットで処方される薬は健康状態や体質、治療中の病気の有無によっては使用できない場合があります。
薬の効果が出過ぎてしまい、体調を崩したり副作用が起こったりする場合もあります。
薬を服用中の過度な食事制限や激しい運動によって副作用が起こる場合もあるため、薬剤の使用方法についてよく理解しておくのが重要です。
薬の種類によっても異なりますが、副作用には以下の症状があります。
- 便秘
- 吐き気
- 不眠
- 下痢
- 手足の震え
- ふらつき
- 体のだるさや脱力感
- 喉の渇き
GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬は血糖値を下げる効果があるため、稀に低血糖を起こす場合もあります。
内服を開始した直後は体の変化や体調をよく観察して、体調が悪くなった場合は早急に医療機関に相談をしましょう。
多くの場合は保険適用外であるため、費用が高額になる
基本的にメディカルダイエットは、医療保険の適用外である自由診療です。
そのため、治療の費用は保険診療と比べて高額になる場合があります。
肥満の度合いや体質にもよりますが、薬の効果が出るまでには3〜6ヶ月程度かかります。
月額制や定期料金のプランを設けている医療機関もあるため、金額については事前に調べておきましょう。
肥満症や特定の疾患が診断された場合は、保険適用になる薬剤もあります。
インターネットや海外通販で販売している痩せる薬には類似品など正規品ではないものがある
一部の痩せる薬は、インターネットや海外通販で販売しています。
しかし偽物や品質に問題があるもの、類似品などを販売している場合があります。
そのような薬を服用すると、体調不良や副作用が起こる可能性も否定できません。
医療機関で処方された薬と同じものをインターネットで安く購入しようとしても、偽物である場合もあります。
痩せる薬はオンライン診療を活用すると安全なダイエットが可能
痩せる薬とは、糖や脂肪の吸収を抑える効果や食欲を抑制する効果によって体重を減少させる薬のことです。
ダイエットが長続きしない人や忙しくてダイエットをする時間がない人でも、継続が容易であるため人気が高まっています。
メディカルダイエットは、医師の指導と管理のもとで安全にダイエットができる診療方法です。
オンライン診療でメディカルダイエットができる医療機関が増えており、インターネット環境と情報通信機器があればどこでも医師の診察が受けられます。
痩せる薬にはGLP-1受容体作動薬やSGLT阻害薬、脂肪吸収抑制剤などさまざまな種類があります。
体重や肥満の度合い、生活習慣などそれぞれの人に合った薬剤の選択が可能です。
痩せる薬には、低血糖による体のだるさや吐き気などの副作用が起こる場合があります。
痩せる薬を使用する際は、メリットとデメリットの両方をよく理解したうえで服用しましょう。