葉酸は、私たちの健康はもちろん、赤ちゃんの健康的な発育に欠かせない栄養素ですが、多くの女性が十分な量を摂取できていないのが現状です。
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査報告」によると、20代女性の葉酸摂取量平均は226µg/日、30代女性は233µg/日と、推奨量の240µg/日を下回っています。
特に妊娠中は480µg/日が必要となるため、意識的に葉酸を摂取することが大切です。
この記事では、葉酸の多い食べ物を肉類、魚介類、野菜類、果実類、きのこ類、海藻類、豆類・穀類、乳製品の8つのカテゴリーに分けてランキング形式で紹介します。
葉酸含有量の多いものの中から、スーパーなどで簡単に手に入れやすい食品を中心にピックアップしています。
例えば、肉類では鶏レバーや牛レバーが葉酸を多く含んでいます。
野菜類ではブロッコリーや菜の花、ほうれん草などが上位にランクインしており、果実類ではドライマンゴーやライチ、いちごが葉酸を豊富に含んでいます。
また、葉酸は熱に弱く水に避けやすい性質を持つため、調理方法や食べ方を工夫することが重要です。
さらに、葉酸の多い食べ物を使ったレシピのレパートリーを増やしたり、間食に葉酸の多いフルーツやチーズを取り入れたりするのも効果的です。
ただし、食事だけで必要な葉酸を摂取するのは難しい場合もあります。
そのような場合は、医師や栄養士に相談の上、葉酸サプリや栄養補助食品の利用を検討するのも一つの方法です。
この記事を読むことで、葉酸の重要性や多く含まれる食品、効果的な摂取方法について理解を深めることができます。
妊活中や妊娠中の方はもちろん、健康的な生活を送りたい方はぜひ参考にしてください。
- 葉酸の役割と推奨される摂取量、妊活中から妊娠中の推奨摂取量
- 肉類、魚介類、野菜類、果実類、きのこ類、海藻類、豆類・穀類、乳製品の葉酸が豊富な食べ物ランキング
- 葉酸を効果的に摂取するための調理方法や日常生活での工夫
- 葉酸サプリメントや栄養補助食品の活用方法と注意点
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【肉類】
肉類は日常的に摂取する機会が多く、タンパク質や鉄分などの栄養素も豊富に含んでいるため、バランスの良い食事の一部として取り入れやすい食材です。
肉類の中でも、特に葉酸を多く含む食材として鶏レバー、牛レバー、豚レバーが挙げられます。
レバー類は、100gあたり800µgから1300µgもの葉酸を含んでおり、1日に必要な葉酸摂取量である240µgを大きく上回ります。
また、牛肩肉や鶏ハツなども、他の肉類と比較すると比較的多くの葉酸を含んでいます。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP5【肉類】
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
鶏レバー | 1300µg |
牛レバー | 1000µg |
豚レバー | 810µg |
牛肩肉(脂身付き) | 50µg |
鶏ハツ | 43µg |
※参照元:食品成分データベース
ただし、レバーにはビタミンAも多く含まれており、過剰摂取に注意が必要です。
特に妊娠初期の3ヶ月間は、ビタミンAの過剰摂取により胎児の先天奇形のリスクが高まる可能性が指摘されています。
レバーなどには、ビタミン A が多く含まれていますが、ビタミン A は過剰摂取により先天奇形が増加することが報告されているため、妊娠を計画する人や妊娠 3 か月以内の人は大量の摂取を避けましょう。
引用元:妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~解説要領
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」では、妊娠期を含む成人の1日あたりのビタミンA耐容上限量が2,700µgRAEと定められています。
例えば、鶏レバーには100gあたり約14000µgRAEのビタミンAが含まれているため、焼き鳥のレバー2/3本(約20g)を食べるだけで、1日の耐容上限量を超えてしまう計算になります。
耐容上限量は毎日摂取しても問題ない量を示すものであり、1回の摂取で即座に危険というわけではありません。
もし知らずに食べてしまっても過度に心配する必要はありませんが、妊娠中や妊活中はレバー類の摂取量や頻度を控えめにすることが賢明です。
以下では、葉酸を多く含む肉類の中から、鶏レバー、牛レバー、豚レバー、牛肩肉(脂身付き)、鶏ハツについて詳しくご紹介します。
鶏レバー
ハツの部分を切り離した鶏レバー1羽分で約50gとなる(約650µgの葉酸が含まれる)
鶏レバーは、牛や豚のレバーと比較して柔らかく、臭みやクセが少なく食べやすいのが特徴です。
葉酸含有量は100gあたり1300µgと非常に高く、一般的な鶏レバーの串焼き約3〜4本分で100gに相当します。
鶏レバーは葉酸以外のビタミンB群やビタミンA、鉄分、亜鉛なども豊富に含んでいます。
調理法としては、レバーの臭みを取り除くために下処理をしっかり行い、焼く、煮る、炒めるなどの方法がおすすめです。
また、他のレバーと比べて低カロリーなため、ダイエット中の方にも適しています。
ビタミンCを含む野菜と一緒に調理することで、鉄分の吸収率を高められるのもポイントです。
鶏レバーには、100gあたり14000µgRAEのビタミンAが含有されており、耐容上限以内に抑えるためには約19g(焼き鳥1本弱)が目安となります。
牛レバー
牛レバーは、やわらかい肉質と濃厚な味わいが特徴で、トロッとした食感と滑らかな舌触り、濃いめの風味が楽しめます。
鶏レバーに次いで葉酸を多く含む食材で、100gあたり1000µgの葉酸が含まれています。
一般的な牛レバーの薄切り約5〜6枚分が100gに相当します。
牛レバーは葉酸以外にも、ビタミンB群、鉄分、銅などのミネラルを多く含み、貧血予防に効果的なビタミンB12や抗酸化作用のあるビタミンCが豊富です。
牛レバーは豚や鶏のレバーよりも臭みが強いため、下処理を丁寧に行うことで美味しく食べられます。
レバーの臭みを抑えるために、レモン汁やワインを加えて調理するのもおすすめです。
ビタミンA含有量は100gあたり1100µgRAEと、鶏や豚ほど多くありません。
牛レバー約245gで耐容上限に達するため、他の食品からのビタミンA摂取も考慮して食べると良いでしょう。
豚レバー
豚レバーは、牛レバーよりも弾力があり、プリッとした食感が特徴です。
100gあたり810µgの葉酸をはじめ、ビタミンA、Bミネラルをバランス良く含み、特にビタミンB2が豊富です。
ビタミンB2は主に脂質の代謝を助け、皮膚や髪、粘膜の健康維持に役立ちます。
また、レバーの中で最もタンパク質や鉄分が豊富で低脂肪なため、運動後のたんぱく質補給や貧血が気になる方にもおすすめです。
調理の際は、酢豚やレバニラ炒めなど野菜と一緒に調理することで、栄養バランスが良くなります。
ただし、豚レバーにもビタミンAが100gあたり13000µgRAEと多く含まれています。
耐容上限の2700µgRAEを超えないためには約20gに抑える必要があるため、炒め物の野菜を多くするなどして工夫しましょう。
牛肩肉(脂身付き)
牛肩肉(脂身付き)は100gあたり約50µgの葉酸を含んでおり、レバー類と比べると含有量は少ないですが、日常的に摂取しやすい食材です。
良質なタンパク質や鉄分などを多く含んでおり、ジューシーな味わいが特徴です。
また、ビタミンB群も豊富なため、エネルギー代謝や免疫力アップに役立ちます。
牛肩肉(脂身付き)は、炒め物や煮込み料理の具材など、毎日の献立に取り入れやすい食材です。
ただし、牛肩肉(脂身付き)は脂身が多いため、カロリーや飽和脂肪酸の摂取量に注意が必要です。
特に、心臓病や高コレステロール血症のリスクがある方は、脂身を取り除いたり、摂取量を控えめにしたりすることをおすすめします。
ビタミンAについては、牛肩肉(脂身付き)にはほとんど含まれていません。
鶏ハツ
鶏ハツは心臓部分の肉で、プリプリとした食感と弾力が特徴です。
葉酸含有量は100gあたり43µgと、他の肉類と比べると中程度の含有量です。
栄養素は鉄や亜鉛、ビタミンA、B群、タンパク質などがバランス良く含まれています。
鶏ハツは焼き鳥として食べることが一般的ですが、炒め物や煮込み料理にも活用できます。
他の内臓肉と比べて比較的低カロリーですが、コレステロールが含まれているため、心臓病のリスクがある方は摂取量に注意が必要です。
また、鶏ハツは加熱しすぎると硬くなりやすいため、適度な加熱もポイントです。
ビタミンA含有量は100gあたり700µgRAEなので、毎日385g以上食べる方でなければ過剰摂取の心配はそこまでないでしょう。
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【魚介類】
魚介類には葉酸以外にも、タンパク質、ビタミンD、オメガ3脂肪酸など、健康維持に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
しかし、現代の食生活では魚介類の摂取が減少傾向にあり、不足しがちなため意識的に取り入れることが大切です。
- 平成13(2001)年度:40.2kg/人年
- 平成24(2012)年度:28.4kg/人年
- 令和2(2020)年度:23.4kg/人年
※参照元:食料需給表:農林水産省
魚介類の中でも、特に葉酸を多く含む食品としては、すじこ、数の子、いくらなどの魚卵類や、うなぎの肝、生ウニ、かたくちいわしの田作りが挙げられます。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP6【魚介類】
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
うなぎの肝 | 380µg |
生ウニ | 360µg |
かたくちいわしの田作り | 230µg |
すじこ | 160µg |
数の子 | 120µg |
いくら | 100µg |
※参照元:食品成分データベース
ただし、妊娠中の方は、お刺身などの生食を避けることが推奨されています。
生の魚介類にはリステリア菌、ノロウイルス、腸炎ビブリオ、アニサキスなど食中毒を起こす原因となる菌や寄生虫が含まれている可能性があり、食中毒を起こすリスクがあるためです。
妊娠中は免疫力が低下しているため食中毒になりやすく、胎児にも感染してしまう可能性があります。
これらの菌や微生物などは加熱によって死滅するため、しっかりと加熱することで食中毒を防止しましょう。
食材をしっかり加熱すれば、リステリアやトキソプラズマと同様にこれらの微生物などによる食中毒も防止できます。
引用元:お母さんになるあなたと周りの人たちへ | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する
摂取量や調理法に注意を払った上で、バランスの取れた食事の一部として、魚介類を適度に取り入れましょう。
うなぎの肝
うなぎの肝は、葉酸を豊富に含む食材の一つです。
100gあたり380µgの葉酸が含まれており、成人の1日の推奨摂取量240µgを大きく上回る量です。
約63gのうなぎの肝を摂取することで、1日の推奨量を満たすことができます。
うなぎの肝には葉酸以外にも、ビタミンA、ビタミンEが豊富に含まれており、鉄分などのミネラルも豊富に含み、栄養価の高い食品として知られています。
うなぎの肝は、蒲焼きの付け合わせとして食べるのが一般的ですが、肝吸いなどの料理にも使用されます。
ただし、うなぎの肝には100gあたり4400µgRAEのビタミンAが含まれているため、過剰摂取には注意が必要です。
生ウニ
生ウニは100gあたり360µgの葉酸を含んでいます。
ウニには葉酸以外にも、ビタミンB2、ビタミンEが豊富に含まれており、免疫機能の強化や細胞の酸化防止に役立ちます。
生ウニは刺身や寿司ネタとして食べるのが一般的ですが、パスタやリゾットの具材としても人気があります。
ただし、先述の通り、妊婦の方は生食を避けることが推奨されています。
また、痛風・尿酸財団が発表する「食品中プリン体含有量」によると、ウニ100gあたり137.3mgのプリン体が含まれています。
プリン体の摂取制限は1日400mgのため過度に気にする必要はありませんが、他の食品からの摂取も考慮して過剰摂取には注意しましょう。
かたくちいわしの田作り
かたくちいわしの田作りは、100gあたり230µgの葉酸を含んでいます。
いわしは葉酸以外にも、カルシウムやタンパク質、ビタミンD、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸が豊富で、骨の健康維持や心血管系の健康に重要な役割を果たします。
田作りは、おせち料理の一品として親しまれていますが、日常的にもおつまみや副菜として楽しむことができます。
ただし、田作りは塩分含有量が高いため、高血圧の方や塩分制限が必要な方は摂取量に注意が必要です。
すじこ
すじこ約50g(葉酸含有量80µg)
すじこ約25g(葉酸含有量40µg)
すじこは100gあたり160µgの葉酸を含んでいます。
すじこには葉酸以外にも、タンパク質、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンEが豊富に含まれています。
これらの栄養素は、筋肉の形成や骨の健康維持、貧血予防などに必要です。
すじこは、おにぎりの具や和え物の具として使用されることが多いですが、パスタの具材としても美味しく食べられます。
ただし、すじこも塩分含有量が高いため、食べ過ぎには注意が必要です。
数の子
数の子は100gあたり120µgの葉酸を含んでいます。
数の子には葉酸以外にも、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB12などビタミンB群を多く含み、タンパク質、ビタミンEも豊富に含まれています。
中でもビタミンB2は、糖質、タンパク質、脂質の代謝を助ける働きがあり、髪の毛や皮膚、爪などの健康維持に重要です。
また、ニシンの卵である数の子には、青魚に多く含まれるDHAやEPAも豊富に含まれています。
数の子は、おせち料理の一品として親しまれていますが、和え物やカナッペの具材としても楽しむことができます。
ただし、数の子も塩分含有量が比較的高いため、塩抜きするなど調理法を工夫すると良いでしょう。
いくら
いくらは100gあたり100µgの葉酸を含んでいます。
葉酸以外にも、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB12、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、視力の維持や脳機能の向上、心血管系の健康に重要な役割を果たします。
いくらは、寿司ネタやおにぎりの具として人気がありますが、パスタやサラダのトッピングとしても美味しく食べられます。
ただし、いくらも塩分含有量が高いため、高血圧の方や塩分制限が必要な方は摂取量に注意が必要です。
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【野菜類】
野菜類は、葉酸以外にもビタミンやミネラル、食物繊維など、様々な栄養素を含んでいるため、バランスの良い食生活を送る上で欠かせない食品群です。
野菜類の中でも、特に葉酸を多く含む食品として知られているのが緑黄色野菜です。
ブロッコリーや菜の花、ほうれん草などが代表的な例として挙げられ、ビタミンCやカロテノイドなどの抗酸化物質も豊富に含んでいるため、健康維持に役立つ食材として重宝されています。
特定の野菜に偏らず、様々な種類の野菜をバランスよく摂取することで、より効果的に栄養を補給することができます。
葉酸の摂取を意識しつつ、バランスの取れた食生活を心がけることが、健康的な生活を送る上で大切です。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP8【野菜類】
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
焼きブロッコリー | 450µg |
和種なばな(菜の花) | 340µg |
冷凍えだまめ | 310µg |
ゆでえだまめ | 260µg |
モロヘイヤ | 250µg |
芽キャベツ | 240µg |
炒めアスパラガス | 220µg |
ほうれんそう | 210µg |
※参照元:食品成分データベース
焼きブロッコリー
ブロッコリーは、葉酸だけでなくビタミンCやβ‐カロテン、食物繊維など豊富を含む栄養価の高い野菜です。
焼きブロッコリーは油炒めや電子レンジ調理よりも葉酸含有量が高く、100gあたり450µgの葉酸を含んでいます。
- 焼き:450µg
- 油炒め:340µg
- 生:220µg
- 電子レンジ調理:160µg
ブロッコリー1房は約15gのため、1日の推奨量240μgを満たすためには約50g(小房3〜4個)を摂取する必要があります。
茹でるよりも焼くことで水溶性のビタミンの損失を抑えられるため、フライパンやオーブンで軽く焼いて味付けするのがおすすめです。
ただし、加熱しすぎると栄養素が失われるため、程よい加熱が重要です。
和種なばな(菜の花)
和種なばな(菜の花)は100gあたり340μgの葉酸を含んでおり、1日の推奨量を満たすためには約70gを摂取する必要があります。
サイズによって重さは異なりますが、1束170gとすると、1/2束で1日に必要な葉酸摂取量を満たすことができます。
そのほかの栄養素では、抗酸化作用のあるビタミンCや、ビタミンAに変わるβ-カロテンの含有量が豊富です。
和種なばな(菜の花)は、おひたしや炒め物にして食べるのが一般的です。
茹でる際は短時間で済ませたり、電子レンジ調理を活用したりすることで、葉酸やビタミンCなどの水溶性ビタミンの流出を抑えることができます。
冷凍えだまめ
えだまめ約50gの可食部はおよそ半分の25gとなる(葉酸含有量77.5µg)
えだまめは、大豆が未成熟の状態で収穫されたもので、大豆と同様にイソフラボンやタンパク質が豊富な食品です。
葉酸含有量は生の状態で100gあたり320µg、冷凍の状態で310µgと豊富に含まれています。
1さや約3gとした場合、20さや(可食部約30g)食べると約93µgの葉酸を摂取できるため、1日あたりの推奨摂取量の約40%を満たせます。
冷凍えだまめは、生のものに比べて栄養価が保たれやすいため、手軽に葉酸を摂取できる食材として重宝されています。
調理する際は、自然解凍や電子レンジなど葉酸の流出を抑えられる方法で解凍して食べるのがおすすめです。
ゆでえだまめ
ゆでえだまめは、冷凍えだまめには劣るものの、100gあたり260µgと多くの葉酸を含んでいます。
1さや約2.88g(ゆでの重量変化率96%)とした場合、20さや(可食部約28.8g)食べると約75µgの葉酸を摂取できます。
3〜5分程度の短時間で茹で、冷ます際は水を使わずに、うちわや冷房を使って一気に冷ますのがおすすめです。
モロヘイヤ
モロヘイヤの葉酸含有量は100gあたり250µgで、1束弱(約100g)で1日の葉酸摂取量を満たすことができます。
モロヘイヤは、体内でビタミンAに変わるβ-カロテン含有量がほうれんそうの2倍以上あり、100gあたり10000µgと豊富なことが特徴です。
そのほか、抗酸化物質のビタミンCやビタミンEに加えて、カルシウム、食物繊維などを多く含み、栄養価の高い食材として知られています。
刻むと独特の粘り気が出るのが特徴で、葉酸を効率よく摂取するためにはスープやお浸しにして食べるのがおすすめです。
加熱しすぎると粘り気が失われるため、さっと茹でる程度にとどめましょう。
芽キャベツ
芽キャベツには、100gあたり240µgの葉酸が含まれています。
葉酸のほかにもビタミンC、ビタミンK、食物繊維などを多く含み、ビタミンC含有量は通常のキャベツの約4倍です。
芽キャベツ5〜8個で100gに相当し、1日の葉酸推奨量を満たすことができます。
蒸し料理やソテー、サラダなど様々な調理法で楽しめますが、煮込み料理やスープなど下茹でせずに食べられる料理がおすすめです。
炒めアスパラガス
アスパラガスも葉酸を多く含む野菜の一つで、生や茹でるよりも油で炒めるほうが葉酸含有量が豊富になります。
- 油炒め:220µg
- 生:190µg
- ゆで:180µg
油炒めでは100gあたり220µgの葉酸を含んでおり、1本20gとした場合、2本で約80〜90µgの葉酸を摂取できます。
アスパラガスは、アスパラギン酸を多く含むのが特徴で、アスパラギン酸は体内でタンパク質やエネルギーを作るのに重要なアミノ酸の一種です。
その他、ポリフェノールの一種であるルチン、ビタミンC、ビタミンEといった抗酸化作用のある成分が豊富に含まれており、美肌や美容に役立つ食材です。
炒めることで水溶性のビタミンの損失を抑えられるため、オリーブオイルで軽く炒めて塩コショウで味付けするのがおすすめです。
ただし、加熱しすぎると食感が悪くなるため、さっと炒める程度にとどめましょう。
ほうれんそう
ほうれんそうは、野菜の中でも鉄分豊富なことが特徴で、鉄分の吸収を助けるビタミンCも多く含まれています。
そのほか、ビタミンAに変わるβ-カロテン、ビタミンB1、B2、食物繊維など幅広い栄養素を含有しており、非常に栄養価の高い野菜です。
ほうれんそうの葉酸含有量は、生の状態では100gあたり210µgと豊富ですが、保存方法や調理方法によって大きく異なります。
- 通年平均/生:210µg
- 冷凍/油いため:150µg
- 通年平均/油いため:140µg
- 冷凍:120µg
- 通年平均/ゆで:110µg
ほうれんそう1/2束(約100g)を茹でた場合、1日の葉酸摂取量の約半分を満たすことができます。
葉酸の流出を抑えるために、アク抜きする際は2〜3分程度サッと加熱する程度にとどめたり、スープや炒め物に使用するのがポイントです。
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【果実類】
果実類は、豊富な栄養素を含む自然の恵みとして知られ、ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含み、葉酸を多く含む果実も複数存在します。
果実類の中でも、ドライマンゴー、ライチ、いちご、アボカドは特に葉酸を多く含む食材です。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP4【果実類】
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
ドライマンゴー | 260µg |
ライチ | 100µg |
いちご | 90µg |
アボカド | 83µg |
※参照元:食品成分データベース
果実類はそれぞれ独特の風味と栄養成分を持ち、日常的に摂取することで葉酸だけでなく、他の重要な栄養素も効果的に補給できます。
厚生労働省の「21世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本21(第三次))」においては、毎日200gの果物を食べることが推奨されています。
ただし、果物にはカロリーや糖質も多く含まれているため、食べ過ぎると高血圧や肥満などのリスクが伴う可能性があります。
例えば、多くの果物に含まれる果糖は、1日あたり50g以内であれば健康上問題ないとされています。
果糖の健康へのマイナス効果は 50g/日以上で高まる可能性がヒト試験により示されています。
引用元:果物が好き!になるパンフレット 農林水産省
また、カロリーの観点では、1日あたり80kcal以内に収めることが推奨されています。
日本糖尿病学会では、糖尿病患者に1日1単位(80kcal、みかんなら2個程度)の果物摂取を勧めています。
引用元:2 果物と健康 農林水産省
以下では、葉酸を豊富に含む代表的な果実について、その特徴や栄養価、おすすめの摂取方法などを詳しくご紹介します。
ドライマンゴー
ドライマンゴー約50g(葉酸含有量130µg)
ドライマンゴーは、生のマンゴーを乾燥させて作られる栄養価の高い果実です。
葉酸以外にも、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維を豊富に含んでおり、免疫機能の向上や消化の促進にも役立ちます。
葉酸含有量は100gあたり260µgと非常に高く、1日に必要な葉酸摂取量の大部分をカバーできます。
生マンゴーの葉酸含有量が100gあたり84µgであるのに対し、ドライマンゴーは約3倍以上の葉酸が含まれるため、効率よく葉酸を摂取するのに適しています。
ドライマンゴーは、そのまま食べるだけでなく、ヨーグルトやシリアルに加えたり、サラダのトッピングとして使用したりすることもおすすめです。
ただし、ドライフルーツは乾燥させる過程で糖分も濃縮されるため、カロリーが高くなる点に注意が必要です。
1日に20gであれば、エネルギーは68kcal、果糖は20.4gに抑えつつ、葉酸を52µg摂取できます。
ライチ
ライチは、独特の甘い香りと味わいが特徴的な果実で、葉酸含有量は100gあたり100µgです。
葉酸のほか、ビタミンC、ポリフェノール、カリウムも豊富に含まれており、抗酸化作用や血圧調整にも効果があるとされています。
ライチは1個あたり約20g(可食部約14g)で、5個食べた場合(可食部70g)は70µgの葉酸を摂取できます。
ライチは生のままデザートとして楽しむほか、フルーツサラダの材料としても活用できます。
ただし、ライチにも糖分が多く含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。
果糖含有量が100gあたり7gのため、1日摂取量の50gを超えないよう7個以内にとどめておくと良いでしょう。
いちご
いちごは、ビタミンCと葉酸を豊富に含む人気のフルーツで、葉酸含有量は100gあたり90µgです。
抗酸化作用のあるポリフェノールも含んでおり、免疫力の向上や肌の健康維持に役立ちます。
いちごは1個約15gなので、6〜7個で100gに相当します。
いちごは生食がおすすめですが、ジャムやスムージーにしても美味しく摂取できます。
ただし、加熱すると葉酸が失われやすいため、生で食べるのが最も効果的です。
カロリーの観点から、1日の摂取量は16粒程度(240g)を上限とすることで約80kcalに相当し、過剰摂取を避けつつ必要な栄養素を効率的に摂取できます。
アボカド
アボカドは、クリーミーな食感と豊富な栄養価で知られる果実です。
葉酸含有量は100gあたり83µgで、良質な脂肪酸やビタミンE、食物繊維も豊富に含んでいます。
アボカドに含まれる栄養素は、心臓の健康維持や肌の若々しさの保持に役立ちます。
1個あたりの重量はアボカドによって差がありますが、一般的に約170g(可食部約100g)です。
アボカドは、そのまま食べるのはもちろん、サラダやサンドイッチの具材として使用したり、ディップソースにしたりと様々な方法で楽しめます。
ただし、アボカドはカロリーが高いため、過剰摂取には注意が必要です。
1日の摂取カロリーの目安80kcalを考慮すると、約50g(1/2個程度)を上限とするのが良いでしょう。
完熟したものを選び、褐色に変色した部分は避けて食べることで、より多くの栄養を摂取できます。
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【きのこ類】
きのこ類は、低カロリーでありながら豊富な栄養素を含む優れた食材です。
特に葉酸を含むビタミンB群、ビタミンD、食物繊維が豊富に含まれており、日常的な食事で不足しがちな栄養素を補うのに適しています。
きのこ類の中でも、乾燥しいたけは特に葉酸を多く含んでおり、100gあたり270µgの葉酸を含有しています。
しかし、乾燥きのこを100g摂取するのは現実的ではないため、日常的に摂取しやすい生のきのこを中心に葉酸含有量の多いものから順に紹介します。
生のきのこ類の中で葉酸を多く含むのは、えのきたけ、生しいたけ、ゆでひらたけ、ゆでなめこ、エリンギなどです。
これらのきのこは、いずれも100gあたり60µg以上の葉酸を含んでおり、日々の食事に取り入れやすい食材です。
きのこ類は調理方法によって栄養価が変わるため、葉酸の損失を最小限に抑えるためには、短時間の加熱調理や汁物への使用がおすすめです。
また、きのこ類は他の野菜や肉類との相性も良く、様々な料理に活用できるため、日常的な葉酸摂取に役立ちます。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP4【きのこ類】
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
えのきたけ | 75µg |
しいたけ | 75µg |
ゆでひらたけ | 71µg |
ゆでなめこ | 67µg |
エリンギ | 65µg |
※参照元:食品成分データベース
えのきたけ
えのきたけ1袋で約220g
えのきの石づき部分を取り半分にすると約85gとなった(葉酸含有量64µg)
えのきたけは、シャキシャキとした食感と淡白な味わいが特徴の人気のきのこです。
葉酸含有量は100gあたり75µgで、きのこ類の中でもトップクラスです。
葉酸以外にも、食物繊維やビタミンB1、ビタミンD、ナイアシンなどを含んでおり、特にビタミンDは骨の形成や維持に重要な役割を果たします。
えのきたけ1袋(約200g)から廃棄部分(15%)を取り除いた場合、1袋分食べることで約130µgの葉酸を摂取できます。
葉酸の損失を抑えるためには、短時間の加熱がおすすめです。
サラダやスープの具として使用したり、肉巻きにしたりと、様々な料理に活用できます。
しいたけ
しいたけは、独特の香りと旨味が特徴的なきのこで、和食に欠かせない食材の一つです。
生しいたけの葉酸含有量は100gあたり75µgです。
葉酸以外にも、ビタミンD、ビタミンB群、食物繊維などを豊富に含んでおり、特にβ-グルカンという食物繊維は免疫力を高める効果が期待できます。
しいたけの栽培方法には、自然に近い条件で育てる「原木栽培」と、施設内で育てる「菌床栽培」の2つがありますが、葉酸含有量は原木栽培のほうが高くなっています。
- 生しいたけ/原木栽培:75µg
- 生しいたけ/菌床栽培:49µg
しいたけ1パックで約100gなので、廃棄部分(20%)を取り除くと可食部は約80gです。
したがって、しいたけを1パック食べると約60µgの葉酸を摂取できることになります。
調理方法では、茹でるよりも油炒めのほうが葉酸の損失が少ないため、ソテーや炒め物に使用するのがおすすめです。
しいたけの調理法別の葉酸含有量
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
生しいたけ/原木栽培/油いため | 51µg |
生しいたけ/原木栽培/ゆで | 26µg |
生しいたけ/菌床栽培/油いため | 20µg |
生しいたけ/菌床栽培/ゆで | 14µg |
ゆでひらたけ
ひらたけは、平たい形状が特徴的なきのこで、肉厚でジューシーな味わいが魅力です。
ゆでひらたけの葉酸含有量は100gあたり71µgです。
葉酸以外にも、ビタミンD、ビタミンB群、食物繊維、ミネラルなどを含んでおり、特にビタミンB群は代謝を促進し、エネルギー産生に重要な役割を果たします。
ひらたけは他の野菜や魚介類との相性も良く、バランスの取れた食事の一部として取り入れやすい食材です。
和え物や煮物、味噌汁など様々な料理に活用できますが、葉酸の損失を抑えるために、長時間ゆでないように注意しましょう。
ゆでなめこ
なめこは、独特のぬめりと食感が特徴的なきのこで、味噌汁の具材として親しまれています。
ゆでなめこの葉酸含有量は100gあたり67µgです。
葉酸以外にも、食物繊維、ビタミンB群、ミネラル、β-グルカンなどを含んでおり、特にβ-グルカンは免疫機能を高める効果が期待できます。
また、ぬめりの主成分である「ペクチン」という水溶性食物繊維は、腸内環境を整える作用や、目の潤いを促進する効果があります。
ゆでなめこ30gを1食分に追加した場合、約20µgの葉酸を摂取できるため、1日の葉酸推奨量の約8%を補えます。
なめこは味噌汁や和え物に使うのが一般的ですが、そばに加えても美味しく食べられます。
なめこのぬめりが苦手な方は、食べる前に軽く湯通しするとぬめりを軽減できます。
エリンギ
エリンギは、しっかりとした歯ごたえと豊かな風味が特徴的なきのこで、葉酸含有量は100gあたり65µgです。
エリンギ1パック(可食部約94g)を食べることで、1日の葉酸推奨量の約25%を摂取できます。
葉酸以外にも、食物繊維、ビタミンB群、ビタミンD、ミネラル、エルゴチオネインなどを含んでおり、特にエルゴチオネインは強い抗酸化作用を持つとされています。
エリンギは他の野菜との相性も良く、グリルや炒め物、スープの具材など様々な料理に活用できますが、葉酸の損失が少ない焼き調理や油炒めがおすすめです。
エリンギの調理法別葉酸含有量
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
エリンギ/焼き | 53µg |
エリンギ/油いため | 36µg |
エリンギ/ゆで | 20µg |
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【海藻類】
海藻類は、豊富な栄養素を含む食材として知られており、日本人の食生活において古くから親しまれてきた食材です。
葉酸の含有量が多いだけでなく、ヨウ素やカルシウム、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど様々な栄養素を含んでおり、健康維持に重要な役割を果たします。
海藻類の中でも、特に葉酸を多く含む食材として、のりやわかめが挙げられます。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP4【海藻類】
食品 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
焼きのり | 1900µg |
味付けのり | 1600µg |
岩のり | 1500µg |
乾燥わかめ | 320µg(水戻し後33µg) |
※参照元:食品成分データベース
のりやわかめは乾燥させることで栄養素が凝縮され、少量でも効率的に葉酸を摂取することができます。
また、乾燥わかめは調理方法によって栄養価が変化するため、調理後の含有量も参考にすることが重要です。
ただし、海藻類には塩分やヨウ素など他の栄養素も豊富に含まれているため、バランスの取れた食事の一部として少量を取り入れることが大切です。
焼きのり
焼きのり1枚で葉酸57µgが含まれる
焼きのりは、葉酸含有量が非常に高く、100gあたり1900µgの葉酸を含んでいます。
ビタミンB12や鉄分も豊富に含んでおり、貧血予防にも効果的です。
焼きのり1枚(約3g)には約57µgの葉酸が含まれる計算になるため、1日2枚(約6g)食べた場合は約114µgの葉酸を摂取できます。
焼きのりはそのまま食べるのが最も栄養価を保つ方法ですが、おにぎりの具材や巻き寿司の具材、サラダのトッピングとしても美味しく食べられます。
焼きのりは保存性が高く、手軽に食べられる点も魅力です。
ただし、塩分含有量が100gあたり1.3gと比較的高いため、食べ過ぎには注意が必要です。
味付けのり
味付けのりは、100gあたり1600µgの葉酸を含んでおり、焼きのりに次いで高い葉酸含有量を誇ります。
1日あたり2〜3枚程度食べることで、約96~144µgの葉酸を摂取できます。
味付けのりは、ビタミンAやカルシウムも豊富に含んでおり、骨や目の健康維持にも役立ちます。
味付けのりは、そのまま食べるのはもちろん、お茶漬けの具材やおにぎりの具材としても活用できます。
ただし、味付けのりは砂糖や調味料が加えられており、通常の焼きのりと比べて塩分や糖分が多く含まれている点には注意が必要です。
岩のり
岩のりも葉酸含有量が高く、100gあたり1500µgの葉酸を含んでいます。
ビタミンCやマグネシウムも豊富に含んでおり、免疫力の向上や筋肉の健康維持にも効果的です。
岩のりは、味噌汁の具材や酢の物、天ぷらなど様々な料理に活用できます。
特に、ビタミンCを多く含むレモンなどの柑橘類と一緒に摂取することで、鉄分の吸収率を高めることができます。
ただし、岩のりは独特の香りと味わいがあるため、好みが分かれる食材です。
初めて食べる方は少量から始めることをおすすめします。
乾燥わかめ
乾燥わかめは、葉酸だけでなくヨウ素やカルシウム、食物繊維も豊富に含む栄養価の高い海藻です。
葉酸含有量は、素干しの状態で100gあたり320µgと非常に高く、1日の必要摂取量240µgを上回ります。
ただし、水戻し後の乾燥わかめは100gあたり33µgです。
乾燥わかめは水で戻して使用することが一般的なため、水戻し後の含有量で計算すると良いでしょう。
わかめは味噌汁やサラダ、酢の物など、様々な料理に使用できる万能食材です。
特に、わかめの酢の物は、酢に含まれるビタミンCが葉酸の吸収を助けるため、効率的に葉酸を摂取できます。
葉酸の損失を抑えるには、わかめスープのように戻し汁ごと摂取したり、サラダに乾燥状態のまま加えたりするのがおすすめです。
ビタミンCを含む食材と組み合わせると、鉄分の吸収率も高まります。
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【豆類・穀類】
豆類は良質なタンパク質や食物繊維、ミネラルの宝庫であり、穀類は炭水化物を中心としたエネルギー源として知られています。
特に大豆や大豆製品は葉酸含有量も高く、不足しがちな葉酸を補うために役立つ食材です。
以下では、葉酸含有量の多い順に、代表的な豆類と穀類を紹介します。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP7【豆類・穀類】
食品名 | 葉酸含有量 (100gあたり) |
---|---|
大豆 | 260µg |
糸引き納豆 | 130µg |
ゆでひよこまめ | 110µg |
全粒粉 | 65µg |
そば粉 | 30µg〜84µg |
全粒粉パン | 49µg |
ベーグル | 47µg |
※参照元:食品成分データベース
大豆
大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど栄養価が高く、肉に匹敵するほどのタンパク質を含んでいます。
大豆イソフラボン、鉄分、カルシウム、食物繊維、ビタミンB1が特に豊富に含まれており、多様な栄養素を一度に摂取できる優れた食材です。
葉酸含有量は、いり大豆や乾燥黄大豆で100gあたり260µgと非常に高く、1日の必要摂取量をほぼ満たすことができます。
蒸し大豆は100gあたり96µg、茹で大豆は41µgまで葉酸が減少するため、効率よく葉酸を摂取したい方は、いり大豆として食べるのが良いでしょう。
大豆の調理法別の葉酸含有量(黄大豆)
食品名 | 葉酸含有量 (100gあたり) |
---|---|
全粒/黄大豆/国産/乾 | 260µg |
いり大豆/黄大豆 | 260µg |
蒸し大豆/黄大豆 | 96µg |
全粒/黄大豆/国産/ゆで | 41µg |
ただし、大豆イソフラボンの過剰摂取には注意が必要です。
大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、過剰摂取すると体内のホルモンバランスに影響を与える可能性があります。
大豆イソフラボンの1日摂取量は70〜75mg程度を目安とし、サプリメントなどでの過剰摂取を避けることが重要です。
上記[1]及び[2]から、現時点における大豆イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして70〜75mg/日と設定しました。
引用元:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する
糸引き納豆
パックを除いた納豆約50gには75µgの葉酸が含まれる
納豆は大豆を発酵させた食品で、日本の伝統的な食材です。
葉酸含有量は100gあたり130µgと高く、1パック(約45g)の納豆を食べることで約58.5µgの葉酸を摂取できます。
納豆には葉酸以外にも、良質なタンパク質や食物繊維、ビタミンKなどが豊富に含まれています。
納豆は発酵食品であるため、腸内環境を整える効果も期待できます。
また、納豆菌の働きにより、大豆の栄養素の吸収率が高まるという利点もあります。
調理法としては、生のまま食べるのが最も栄養を逃がさない方法です。
ただし、納豆も大豆製品であるため、大豆イソフラボンの過剰摂取には注意が必要です。
1日1〜2パック程度(大豆イソフラボン含有量約33〜66mg)を目安に摂取するのが良いでしょう。
ゆでひよこまめ
ひよこまめは、中東や地中海地域で広く食べられている豆類です。
葉酸含有量は乾燥状態で100gあたり360µgと非常に高く、ゆでた状態でも110µgと豊富です。
ひよこまめは、タンパク質や食物繊維、鉄分、マグネシウムなども豊富に含んでおり、栄養バランスの良い食材です。
ホクホクとした食感が特徴のひよこまめはクセが少なく、サラダに加えたり、スープの具材として使用したりと、様々な料理に活用できます。
また、ペースト状にしてディップとして楽しむこともできます。
他の栄養素のバランスを考慮し、1日あたり50g程度を目安に摂取すると良いでしょう。
全粒粉
全粒粉は、穀物の外皮や胚芽を含む粉で、精製された小麦粉に比べて栄養価が高いのが特徴です。
また、ライ麦は小麦に比べてタンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富で、葉酸含有量も100gあたり65µgと豊富に含まれています。
葉酸を効率よく摂取するためには、ライ麦の全粒粉が最も適している食品といえます。
ライ麦と小麦における全粒粉と静製粉の葉酸含有量
食品 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
ライ麦全粒粉 | 65µg |
小麦粉(強力粉)全粒粉 | 48µg |
ライ麦粉 | 34µg |
小麦粉(プレミックス粉)から揚げ用 | 26µg |
※参照元:食品成分データベース
ライ麦全粒粉は、パンやクッキーの材料として使用できます。
また、小麦粉の一部をライ麦全粒粉に置き換えることで、通常の料理に栄養価をプラスすることができます。
ただし、ライ麦には微量ですがグルテンが含まれているため、グルテン過敏症の方は注意が必要です。
そば粉
そば粉には、挽く段階によって表層粉、中層粉、内層粉があり、それぞれ栄養価が異なります。
殻を外したそばの実を挽いて最初に出てきたそば粉を内層粉(一番粉)と呼び,さらに挽いて出てきたそば粉を順に中層粉(二番粉)、表層粉(三番粉)といいます。
内層粉、中層粉、表層粉を分けずに合わせたものを全層粉といい、別名「挽きぐるみ」とも呼ばれます。
表層粉はビタミンやミネラルなどの栄養価が最も高く、葉酸含有量も100gあたり84µgと多いのですが、繊維質が多く中層粉、内層粉に比べて食感はやや劣ります。
そば粉の特徴と葉酸含有量
そば粉の種類 | 葉酸含有量(100gあたり) | 特徴 |
---|---|---|
表層粉(三番粉) | 84µg | 最も濃厚な風味と色合い 栄養価が最も高い 食感はやや粗い |
全層粉(挽きぐるみ) | 51µg | そばの実全体を使用 バランスの取れた栄養価 |
中層粉(二番粉) | 44µg | そば本来の風味を持つ 一般的に広く使用される タンパク質などの栄養価が比較的高い |
内層粉(一番粉) | 30µg | 淡い色合いと繊細な風味 でんぷん質が豊富 歯切れの良いそばに適する 粘りが少なめ |
※参照元:いちばん粉 | そばの散歩道 日本麺類業団体連合会 / 全国麺類生活衛生同業組合連合会、食品成分データベース
一般的なそば粉に使用されているのは中層粉(二番粉)で、一般的なスーパーでも購入しやすい傾向にあり、そばうち以外の汎用性にも優れています。
そば粉を使った料理としては、シフォンケーキやガレット、そば粉のクレープなどがあります。
そば粉には、葉酸以外にもポリフェノールの一種であるルチンやタンパク質、食物繊維が豊富に含まれています。
そばにこだわりがない方は、活用しやすい中層粉(二番粉)から取り入れてみてると良いでしょう。
全粒粉パン
全粒粉パンは、全粒粉と小麦粉(1:1)で作ったパンのことです。
全粒粉は小麦の表皮や胚芽を丸ごと含むため、通常の精製された小麦粉を使用したパンに比べて栄養価が高く、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれています。
葉酸含有量も100gあたり49µgと比較的高めです。
そのため、葉酸を摂取する目的では、通常のパンよりも全粒粉パンのほうが適しています。
精製パンと全粒粉パンにおける葉酸含有量の比較
パンの種類 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
全粒粉パン | 49µg |
食パン/リッチタイプ | 42µg |
山形食パン/食パン | 34µg |
角形食パン/食パン | 30µg |
※参照元:食品成分データベース
全粒粉パンは、通常のパンよりもしっかりとした食感と風味が特徴で、スーパーなど市販でも手軽に購入できます。
朝食やサンドイッチの材料として取り入れるのがおすすめです。
ただし、全粒粉パンは精製された小麦粉のパンに比べて食物繊維も多く含まれるため、消化不良を起こさないために食べ過ぎないよう注意しましょう。
ベーグル
ベーグルは、小麦粉に水と塩を加えて練り合わせ、酵母で発酵させたあとに茹でてから焼く製法で作られるリング状のパンです。
バター・卵・牛乳などを使わず作られるため、ヘルシーなパンとして知られています。
パン類の中では全粒粉パンに次いで葉酸含有量が多く、100gあたり47µg含まれています。
パン類の葉酸含有量の比較
パンの種類 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
ベーグル | 47µg |
クロワッサン/レギュラータイプ | 46µg |
くるみパン | 45µg |
コッペパン | 36µg |
ロールパン | 38µg |
ナン | 36µg |
※参照元:食品成分データベース
ベーグルはそのまま食べるだけでなく、様々な具材を挟んでベーグルサンドとしても楽しめます。
朝食でパンを食べる習慣がある方は、葉酸をたくさん摂取できるベーグルを選んでみてはいかがでしょうか。
葉酸の多い食べ物ランキング一覧【乳製品】
乳製品の中でも特にチーズは、葉酸を手軽に摂取できる優れた食材です。
チーズは調理せずにそのまま食べられるものが多いため、栄養計算や料理が苦手な人でも簡単に葉酸を摂取できます。
また、チーズにはカルシウムやタンパク質も豊富に含まれており、骨や筋肉の健康維持にも役立ちます。
しかし、チーズを食べる際には注意すべき点もあります。
特に妊娠中の方は、輸入のナチュラルチーズ(カマンベール、チェダー、ゴーダなど)に含まれるリステリア菌に注意が必要です。
リステリア菌は加熱処理されていないチーズに存在する可能性があり、妊婦や胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。
妊娠中や免疫力が低下している方は、国内製造のものや、パスチャライズ(殺菌)されたチーズを選ぶことが重要です。
妊娠中は、一般の人よりもリステリア菌に感染しやすくなり、赤ちゃんに影響がでることがあります。リステリア菌は、食品を介して感染する食中毒菌で、塩分にも強く、冷蔵庫でも増殖します。
引用元:これからママになるあなたへ|厚生労働省
また、チーズは高カロリー・高脂肪食品でもあるため、過剰摂取には注意が必要です。
厚生労働省の「食事バランスガイド」によると、チーズの1日摂取目安は1かけまたは1枚が適量とされています。
毎日過剰に食べることは避け、他の食品とバランスよく摂取することが大切です。
以下では、葉酸含有量の多いチーズについて、詳しくご紹介します。
葉酸の多い食べ物ランキングTOP4【乳製品】
食品名 | 葉酸含有量(可食部100gあたり) |
---|---|
カマンベールチーズ | 47µg |
チェダーチーズ | 32µg |
ゴーダチーズ | 29µg |
プロセスチーズ | 27µg |
※参照元:食品成分データベース
カマンベールチーズ
カマンベールチーズ1箱分(約90g)
6等分に切ったうちの1つ約15gには、7µgの葉酸が含まれる
カマンベールチーズは、フランス原産の白カビチーズで、クリーミーな食感と独特の風味が特徴です。
葉酸含有量は100gあたり47µgと、チーズの中でもトップクラスです。
カマンベールチーズは1切れ約15gで販売されているものが多く、1切れあたり約7µgの葉酸を摂取できます。
葉酸以外にも、カマンベールチーズはカルシウムやビタミンB12が豊富です。
カルシウムは骨の健康維持に、ビタミンB12は赤血球の形成や神経機能の維持に重要な役割を果たします。
おすすめの食べ方は、そのままパンやクラッカーに乗せて食べるのが一般的で、サラダやパスタに加えても美味しく食べられます。
ただし、加熱するとカビの風味が失われるため、加熱料理には向いていません。
チェダーチーズ
チェダーチーズはイギリス原産のハードタイプのチーズで、熟成期間が長いほど濃厚な味わいになります。
葉酸含有量は100gあたり32µgで、一般的なスライスチーズ1枚(約20g)で約6.4µgの葉酸を摂取できます。
チェダーチーズは葉酸以外にも、カルシウムやビタミンA、ビタミンB12が豊富で、ビタミンAは視力の維持や皮膚の健康に重要な栄養素です。
チェダーチーズは加熱しても風味が損なわれにくいため、様々な料理に活用できます。
サンドイッチやハンバーガーに挟んだり、グラタンやキッシュなどの焼き料理に使用したりするのが一般的です。
熟成期間が長いチェダーチーズほど塩分含有量が高くなるため、塩分制限が必要な方は摂取量に注意が必要です。
ゴーダチーズ
ゴーダチーズはオランダを代表するセミハードタイプのチーズで、熟成期間によって味わいが変わるのが特徴です。
葉酸含有量は100gあたり29µgで、食べやすいブロックタイプやシュレッドタイプのものから500g以上の塊など、様々な形状で販売されています。
ゴーダチーズは葉酸以外にも、カルシウムやビタミンK2が豊富で、ビタミンK2は骨の形成や血液凝固に重要な役割を果たします。
ゴーダチーズは、ワインのおつまみやサラダのトッピング、ピザの具材など様々な方法で楽しめます。
プロセスチーズ
プロセスチーズは、複数のナチュラルチーズを加工して作られたチーズで、スライスやスティック、6Pなど食べやすい形状に成型して販売されています。
ナチュラルチーズに含まれる乳酸菌や酵素などは加工段階で死滅するため、保存性に優れているのが特徴です。
葉酸含有量は100gあたり27µgで、一般的なスライスチーズ1枚(約20g)で約5.4µgの葉酸を摂取できます。
葉酸以外にも、カルシウムやビタミンA、ビタミンB12が豊富な上、ナチュラルチーズに比べて脂肪分が少なく、カロリーも低めです。
プロセスチーズは、間食やおつまみでそのまま食べられる他、サンドイッチやグラタン、チーズトーストなど様々な料理に活用できます。
ただし、プロセスチーズは加工食品であるため、添加物や塩分が多く含まれている場合があります。
健康に配慮する場合は、原材料表示をよく確認し、摂取量に気をつけましょう。
葉酸の1日当たりの摂取目安量を毎日摂るためにできること
葉酸は健康維持に欠かせない栄養素ですが、多くの人が十分な量を摂取できていないのが現状です。
1日に必要な葉酸摂取量は240㎍とされていますが、この目安量を毎日確実に摂取するのは意外に難しいものです。
特に、妊活中や妊娠中の女性はより多くの葉酸摂取が必要となり、妊娠中期〜後期には合計480µg/日の摂取が推奨されます。
しかし、日々の忙しい生活の中で、栄養バランスを考えながら食事を準備することは容易ではありません。
「葉酸を意識して摂らなければ」と思いつつも、具体的な方法がわからず、結果として必要量を摂取できていない方も多いのではないでしょうか。
このような状況を改善するためには、日常生活の中で無理なく葉酸を摂取できる方法を見つけることが大切です。
以下では、葉酸の1日当たりの摂取目安量を毎日摂るために具体的にできることを、以下の3つの観点から詳しくご紹介します。
- 葉酸の多い食べ物を使った「葉酸レシピ」のレパートリーを作っておく
- デザートや間食に葉酸の多いフルーツやチーズを食べる習慣をつける
- 葉酸サプリや栄養補助食品など食べ物以外から必要な葉酸を摂取する
葉酸の多い食べ物を使った「葉酸レシピ」のレパートリーを作っておく
葉酸の1日当たりの摂取目安量に近づけるためには、葉酸が豊富に含まれる食材を使った簡単なレシピをいくつか覚えておくことが効果的です。
例えば、ほうれん草やブロッコリーを使った主菜や副菜、レバーを使った料理などを定期的に取り入れることで、日常的に葉酸を摂取できます。
葉酸レシピを主菜・副菜などでバランスよく組み合わせることで、毎日の食事で十分な量の葉酸を摂ることが可能になります。
以下では、埼玉県坂戸市の公式サイトに掲載されている「葉酸Richレシピ集」の中から、簡単に作れるおすすめの葉酸レシピを主菜、副菜1種類ずつご紹介します。
ブロッコリーとシーフードの香り炒め(葉酸238µg)
引用:https://www.city.sakado.lg.jp/uploaded/attachment/14897.pdf
作り方
- ブロッコリーは小房に分け茹でる。赤パプリカは横に5mm幅に切る。長ネギは斜めに5mm幅に切る。シーフードミックスは解凍後、酒 小1、片栗粉 小1をまぶす。
- Aの調味料を混ぜ合わせる。
- フライパンにサラダ油を入れ、長ネギとしょうがを中火で香りが出るまで炒める。
- 強火にして、赤パプリカ、シーフードミックスの順に加えてさっと炒める。
- Aの合わせ調味料を加え、煮立ったらブロッコリーを加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
材料(2人分)
- ブロッコリー 1株
- 冷凍シーフードミックス 150g
- 赤パプリカ 1/4個
- 長ネギ 1/2本
- おろししょうが 小1/4
- サラダ油 小2
- 水溶き片栗粉
(合わせ調味料A)
- 塩 小1/4
- 砂糖 小1/3
- オイスターソース 3g
- 中華スープの素 1g
- 水 60cc
- こしょう 少々
栄養成分
- 葉酸 238µg
- ビタミンB6 0.37mg
- カルシウム 64mg
- 鉄 1.6 mg
- エネルギー 143kcal
- たんぱく質 11.0g
- 脂質 4.7g
- 炭水化物 13.1g
- 食塩 1.3g
レシピの引用元:https://www.city.sakado.lg.jp/uploaded/attachment/14897.pdf
ほうれん草としめじの柚香和え(葉酸165µg)
引用:https://www.city.sakado.lg.jp/uploaded/attachment/14895.pdf
作り方
- ほうれん草は茹でてから 3cm 長さに切り、水気をしぼる。
- しめじは石づきをとり、ほぐし、鍋に入れ、ひたひたのだし汁で煮る。→冷ます。
- しょうゆとレシピ分量のだし汁を合わせる。
- 茹でたほうれん草と2を合わせ、3で調味する。柚子の皮、しぼり汁を加える。
材料(2人分)
- ほうれん草 1束
- しめじ 40g
- しょうゆ 小1
- だし汁 大2
- ゆず皮 適量
- ゆず汁 お好みで
栄養成分
- 葉酸 165µg
- ビタミンB6 0.1mg
- カルシウム 39mg
- 鉄 1.6 mg
- エネルギー 22kcal
- たんぱく質 2.5g
- 脂質 0.4g
- 炭水化物 4.0g
- 食塩 0.5g
レシピの引用元:https://www.city.sakado.lg.jp/uploaded/attachment/14895.pdf
デザートや間食に葉酸の多いフルーツやチーズを食べる習慣をつける
栄養素を計算しながら料理をするのが苦手な方は、必要な量の葉酸を毎日摂取するのが難しく感じるかもしれません。
手軽に葉酸を摂取する方法として、葉酸が豊富に含まれるフルーツやチーズを間食やデザートとして食べる習慣をつけることをおすすめします。
本記事で紹介したドライマンゴーやライチ、いちご、アボカドなどのフルーツは、調理することなくそのまま食べて葉酸を摂取できます。
また、カマンベールチーズやチェダーチーズなどの乳製品も葉酸の優れた供給源です。
例えば、朝食にいちごとヨーグルト、昼食にアボカドトースト、おやつにドライマンゴーとチーズの盛り合わせ、といった具合に組み合わせることで、一日を通して無理なく葉酸を摂取できます。
フルーツやチーズを日常的に摂取することで、特別な計算や調理をしなくても日々自然に葉酸を補給できます。
葉酸サプリや栄養補助食品など食べ物以外から必要な葉酸を摂取する
貧血や動脈硬化を予防したい人、また妊活中から妊娠中の女性は、積極的な葉酸摂取が必要となります。
しかし、食事だけで必要な量を摂取するのは難しい場合があるため、食事と併せてサプリメントや栄養補助食品を利用することも効果的な方法です。
例えば、通常は12歳以上の男女共通で240µg/日が推奨量ですが、妊娠中の女性はさらに+240µg/日、授乳中の女性は+100µg/日の摂取が推奨されています。
妊娠中に葉酸480µgを毎日摂取するのは容易なことではありません。
特に妊活中から妊娠初期の女性には、胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減するために、食事から240µg/日に加え、葉酸サプリメントや葉酸強化食品から400µg/日の摂取が推奨されています。
妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性及び妊娠初期の妊婦は、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために、通常の食品以外の食品に含まれる葉酸(狭義の葉酸)を400 μg/日摂取することが望まれる。
引用元:日本人の食事摂取基準(2020 年版)
1日あたりの葉酸推奨摂取量
時期 | 葉酸摂取量 |
---|---|
12歳以上の男女 | 240µg |
妊活中・妊娠初期 | 240µg+400µg(葉酸サプリメントや栄養補助食品) |
妊娠中期・妊娠後期 | 240µg+240µg |
授乳期 | 240µg+100g |
ただし、サプリメントや葉酸強化食品からの摂取については、過剰摂取にならないよう注意が必要です。
食事以外に含まれる葉酸の過剰摂取は、ビタミンB12欠乏症の症状を隠してしまう可能性があります。
そのため、30〜64歳の男女で1000µg/日、12〜29歳と65歳以上の男女で900µg/日の耐容上限を超えないように気をつけて摂取しましょう。
食べ物から葉酸を摂取する際に気を付けるべきこと
葉酸は妊活中や妊娠中の女性にとって欠かせない栄養素ですが、効果的に摂取するためにはいくつかの注意点があります。
葉酸は熱に弱い性質を持つため、調理方法によっては大幅に損失してしまう可能性があります。
そのため、調理の際には加熱時間や方法に気を配ることが重要です。
また、葉酸を逃さず摂取するためには、生で食べられる食材はそのまま食べたり、スープなどの液体料理で摂取したりするのが効果的です。
一方で、葉酸摂取に気を取られすぎると、他の栄養素を過剰に摂取してしまう危険性もあります。
特に、ビタミンAやカフェイン、ヨウ素などは過剰摂取により胎児の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
これらの点に気を付けながら、バランスの取れた食生活を心がけることで、葉酸を効果的に摂取しつつ、母体と胎児の健康を守ることができます。
以下では、食べ物から葉酸を摂取する際に気を付けるべきことついて詳しく解説していきます。
葉酸は熱に弱いため加熱しすぎないようさっと調理する
葉酸は熱に弱い性質を持つ水溶性ビタミンの一種であるため、効率よく摂取するためには加熱しすぎないことが重要です。
例えば、生のほうれんそうには100gあたり210µgの葉酸が含まれていますが、炒めると140µg、茹でると110µgまで減少してしまいます。
加熱時間が長いほど葉酸の損失が大きくなるため、短い時間で素早く火を通しましょう。
また、電子レンジでの加熱もおすすめです。
ブロッコリーを例にすると、茹でた場合は220µg→120µgまで減少しますが、電子レンジ調理の場合は220µg→160µgと減少率を抑えられます。
できるだけ多くの葉酸を摂取できるよう、食材の調理方法を工夫しましょう。
葉酸を逃さず食べるには生かスープなどで食べると良い
葉酸を含む水溶性ビタミンは、水に溶けやすい性質も持っています。
葉酸を逃さず摂取するためには、生で食べられる食材はそのまま食べるのが最も効果的です。
例えば、フルーツやチーズはそのまま食べられるのはもちろん、サンドイッチやサラダに入れても楽しめます。
また、スープやみそ汁などの液体料理も、葉酸を逃さず摂取するのに適しています。
加熱が必要な野菜類などは、スープに溶け出した葉酸ごと摂取できるのでおすすめです。
このように、食べ方や調理方法を少し工夫するだけで、熱に弱く水に溶けやすい葉酸を効率よく摂取できます。
葉酸とともに他の栄養素を過剰摂取しないように注意する
葉酸の摂取は妊娠中の女性にとって重要ですが、同時に他の栄養素の過剰摂取に注意を払う必要があります。
特にビタミンA、カフェイン、ヨウ素、ヒ素の摂取量には気をつけましょう。
これらの栄養素を適切に管理することで、胎児の健康的な発育をサポートできます。
以下の表は、妊娠中の女性が1日に摂取しても安全な食品の目安量をまとめたものです。
過剰摂取しないよう注意が必要な栄養素と食品例
栄養素 | 食品例 | 1日の目安量 |
---|---|---|
ビタミンA | レバー | 5g(ひとかけ程度) |
カフェイン | コーヒー | 1〜2杯(200〜400ml) |
ヨウ素 | 刻み昆布 | 約0.1g |
ヒ素 | ひじき | 小鉢1杯(週2回程度) |
ビタミンA
ビタミンAの過剰摂取は胎児の器官形成異常のリスクを高める可能性があります。
特に動物性ビタミンAを含むレバーなどの摂取に注意が必要で、緑黄色野菜に含まれるビタミンAの過剰摂取は関係しません。
ビタミンAの耐容上限量は妊娠中の女性を含め2700µg/日ですが、妊娠3ヶ月以内または妊娠を希望する女性は特に注意して摂取するよう推奨されています。
そのため、ビタミンAの推奨摂取量700µgRAE/日以内に抑えるよう、心がけることをおすすめします。※18〜29歳女性は650µgRAE/日
鶏レバーで換算した場合、約5gでビタミンA含有量は700µgRAEになります。
カフェイン
カフェインの過剰摂取も胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があり、世界保健機構(WHO)は1日300mg以下のカフェイン摂取を推奨しています。
コーヒー1杯(200ml)のカフェイン濃度は120mLなので、1日1〜2杯程度であれば問題ないでしょう。
ヨウ素
ヨウ素は海藻類に多く含まれますが、過剰摂取は母乳を通じて乳児の甲状腺機能に影響を与える可能性があり、妊婦及び授乳婦の耐容上限量は2000µg/日とされています。
妊娠中のヨウ素推奨量は240µg/日ですが、刻み昆布に換算すると0.1g程度、カットわかめ(乾燥)なら2.4gで摂取可能です。
ヒ素
ヒ素も海藻類、特にひじきに多く含まれ、過剰摂取により胎児の奇形や脳の健康に影響を与える可能性があります。
ただし、厚生労働省ホームページでは、「体重50kgの人が毎日4.7kg以上継続して食べない限り限度を超えることはない」と記載されているため、1週間に数回、ひじき煮の小鉢を食べる程度であれば問題ありません。
以上の点を踏まえ、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
1つの食品をまとめて摂取するのではなく、様々な食品をバランスよく摂取することで、必要な栄養素を適切に摂取しつつ、過剰摂取のリスクを軽減できます。
バランスの取れた食生活を意識して、無理なく葉酸を補給しよう
本記事では、葉酸の多い食べ物を肉類、魚介類、野菜類、果実類、きのこ類、海藻類、豆類・穀類、乳製品の8つのカテゴリーに分けてランキング形式で紹介しました。
日常的な健康維持はもちろん、妊活中から妊娠中、産後の女性にとって、葉酸は赤ちゃんの健康な発育に欠かせない栄養素です。
葉酸の多い食べ物は、スーパーなど身近な場所で手に入れられるものが多いため、積極的に毎日の食事の一品として取り入れてみてください。
以下に、葉酸を摂取する上でのコツや注意点をまとめました。
- 葉酸の多い食材を使ったレシピを日常的に取り入れる
- 間食やデザートに葉酸豊富なフルーツやチーズを選ぶ
- 必要に応じて葉酸サプリメントや葉酸強化食品を活用する
- 葉酸は熱に弱いため、調理時間を短くする
- 生食やスープなど、葉酸を逃さない調理法を選ぶ
- 他の栄養素とのバランスを考慮し、過剰摂取を避ける
この記事を参考に、自分に合った葉酸摂取方法を見つけ、健康的な妊活・妊娠生活を送りましょう。
バランスの取れた食事と適切な栄養補給で、ご自身や赤ちゃんの健康を守ることができます。
新しい命を迎える準備や、より健康的な毎日のために、楽しみながら葉酸摂取を心がけていきましょう。